お知らせ

出雲に神々が集まる神在月とは?出雲大社や関連の神事、エピソードをご紹介

旧暦の10月は、出雲に、全国の神様が出雲に集まることから、神在月(かみありつき)と呼ばれます。さまざまな神事が執り行われ、出雲地方で指折りの観光シーズンとなっています。
縁結びの街「出雲」のお茶屋・茶三代一(ちゃさんだい)です。
今回は、神在月の意味、神在月で実施される出雲の神迎神事や、神在月にまつわるエピソードを紹介します。
この記事を読んで少しでも出雲のことを知っていただけると幸いです。

神在月とは?

神在月は、旧暦の10月に対して名付けられた呼称です。全国の神々が旧暦の10月に参集するという平安時代発祥の伝承を由来とされています。
一方で、神在月に対し、全国の神様が出雲に出向き、一部の留守神を残して神様が不在になる地域では、旧暦の10月を神無月と呼んでいます。
もともと和風月名の1つである神無月は、雷が鳴らない月を指す雷無月や、新穀でお酒を醸す醸成月から由来するとの説がありますが、国津神と呼ばれる神々が出雲に集まる伝承をもとにした説が強く支持されています。
なお、2021年の旧暦の10月は、11月5日から12月3日となっています。

神在月に行われる出雲の神迎神事

神在月にある出雲の神迎神事について紹介します。神迎神事は下記の4行事があります。

  1. 神迎神事・神迎祭
  2. 神在祭
  3. 縁結大祭
  4. 神等去出祭

ここからは、それぞれの詳しい行事の内容を説明します。

神迎神事・神迎祭

神在月の開始行事に位置付けられるのが、神迎神事と神迎祭です。出雲大社の西側にある稲佐の浜で執り行われ、全国の神々をお迎えすることを目的とされます。
神迎神事では、神職らが、浜で御神火を焚き、注連縄が張り巡らされた斎場の中で神籬(ひもろぎ)を2本、傍らに神々の先導役となる龍蛇神を海に向かって設置します。模擬的な祭殿で、神職らは祝詞を奏上するなど神事を行い、神々を迎えます。
神事の後、神職らは、絹垣で覆った神籬と龍蛇神を担ぎつつ、出雲大社に向かいます。神職らの後列には参拝者が続き、浜から出雲大社への「神迎の道」を延々と行列が続きます。
その後、出雲大社神楽殿で執り行われるのが、神迎祭です。これが終わると、神様が宿る神籬は境内にある十九社という、宿泊施設に還されます。

神在祭

神在祭は、神様が人生諸般や男女の結びついて話し合う神議りに関する神事です。神様が出雲大社に滞在する旧暦の10月11日から17日の7日間を開催対象としています。
神議りは稲佐の浜にほど近い、出雲大社の摂宮「上宮(かみのみや)」で開かれるとされ、神在祭の期間は毎朝、神職が上宮にお供えをし、祝詞を奏上します。この催しは、境内の十九社でも行われます。
また、神在祭の期間は毎晩、出雲大社の神楽殿で夜神楽祈祷(よかぐらきとう)と呼ばれるご祈祷が開催。参拝者が玉串を捧げて祈念する様子は神迎神事を代表とするシーンとされます。
このほか、豊穣や家門繁栄に寄与する言われがある龍蛇を祭る龍蛇神講大祭が開催されます。
2021年の神在祭は、11月15日と19日、21日に開かれます。

縁結大祭

神在祭に合わせて開かれるのが、縁結大祭です。旧暦の10月15日と17日に開かれます。
縁結大祭は、特別な場合しか入れない「八足門(やつあしもん)」で祭典が行われます。祭典では、神職がオオクニヌシをはじめ全国より集まった八百万の神々に祝詞を奏上し、人々の幸縁を祈ります。
祭典には本来、一般人も参列可能ですが、2021年は新型コロナウイルス感染拡大のため、参列できません。縁結大祭の開催日は11月21日午前10時からとなっています。

神等去出祭(からさでさい)

神等去出祭は、神様をお見送りする神事です。旧暦の10月17日に行われます。
神等去出祭は、出雲大社の拝殿で執り行われ、神職らが拝殿の祭壇に供えられた神籬と龍蛇、餅に向かって祝詞を奏上します。その後、1人の神職が本殿楼門に向かって門の扉を三度叩き、「お立ち〜、お立ち〜」と復唱。神職がこの言葉を唱え終えた瞬間に神々は神籬を離れ、出雲大社を去るのです。
2021年の神等去出祭は、11月21日午後4時から行われます。

神々を迎え入れる出雲大社

神在月は全国の神々が出雲大社に訪れます。ここからは出雲大社や、祭神のオオクニヌシについて解説します。

出雲大社とは

出雲大社は、縁結びの神・福の神を祀る、島根県出雲市の神社です。正式名は「いずもおおやしろ」といい、日本最古の歴史書「古事記」に創建の由来を記されるほどの古社とされています。

出雲大社の御祭神はオオクニヌシ

出雲大社に祀られているのが、オオクニヌシです。さまざまな呼び名を持ち、大国主大神とも呼ばれています。
オオクニヌシは、漢字を音読みすると、「ダイコク」と読めることから、七福神の大黒天と同一の人物とみなされています。
また、オオクニヌシは神名の1つに、「所造天下大神(あめのしたつくらししおおかみ)」があり、国づくりの神としても知られます。出雲大社によると、この名前の由来は神代の昔、人間たちと、喜びや悲しみを共にしながら、国土を開拓した史実に由来しています。
オオクニヌシは国づくりの過程で、農耕や漁業、殖産といった産業振興にも携わり、人間に生きていく上での知恵を授けました。このオオクニヌシが成し遂げた偉業への感謝の気持ちとして、所造天下大神の由来となっているのです。
さらに、オオクニヌシは、各地に恋愛伝説を残しており、多くのご縁に恵まれたことから、良縁祈願の神様として信仰され、これが縁結びの神様の元になっています。

オオクニヌシが祀られている神社は全国に点在

オオクニヌシが祀られている神社は、出雲大社だけでなく、全国に点在しています。
例えば、東京都内にある「出雲大社東京分祀」もその1つです。出雲大社のオオクニヌシを勧請した出雲大社東京分祀は、参拝やご祈祷、お守り授与によって本社と同じ御利益を得られるとされ、関東地方の神道の信仰者がこぞって集う場所となっています。
このほか、石川県の気多大社や和歌山県の飛瀧神社などもオオクニヌシが祀られ、縁結ぶや夫婦和合を望む参拝者を受け入れています。

神在月にまつわるエピソード

最後に神在月にまつわるエピソードについて紹介します。

神々が縁結びについて話し合う神譲り(かみはかり)

神議り(かみはかり)は、神在月に全国の神々が出雲大社に集まり、オオクニヌシの元で、男女の縁結びや農業の収穫状況、酒造りについて意見を交わす会議のことです。
神議りの由来は諸説がありますが、日本各地で諸国を統治していたオオクニヌシの子供が毎年報告や相談のために出雲へ戻る中、他の地域の神様も一緒に出雲へ訪れるようになったと言われています。
オオクニヌシの子供の行動をみて他の神様も追随するようになったとされる逸話であり、オオクニヌシの影響力の大きさがわかります。

えびす様は神様不在時の人々を守る留守番神

八百万の神々が会議に出ている間は、出雲地方以外の場所は神様が不在になります。不在となっている諸国の人々や家を守ってくれるのが、留守番神のえびす様です。
恵比寿様は、七福神の一柱であり、商売繁盛の神様として有名な神様です。もっぱら人々の生活に縁の深い御利益をもたらしてくれる神様として有名なのですが、神在月では、留守番神の役割を果たしてくれるという御利益もあります。

えびす様を労う祭りがえびす講

商売繁盛を願う祭りのえびす講は、実は、他の神々が留守になっている諸国を守るえびす様を労う行事だとされています。仲間の神様が出雲に行っている間、えびす様が寂しくないように慰める意味もあるようです。
えびす講では、各所のえびす様を祭神とする神社を参ったり、親類や知人を招いてお祝いします。安売りをしたり、店先でお金をばら撒いたりしていた江戸時代の風習の名残として、出店が多数出店します。
なお、留守番神はえびす様以外の神様もおり、東日本では大黒様、西日本では金比羅様、旅人を加護する道祖神を留守番神として祭る地域もあるとされています。

神在月の御利益をもらいに出雲へ行こう!

神在月は、全国の神々が年に一度集まる縁起の良いシーズンです。近年は新型コロナウイルスにより、縁結大祭での参列ができないなど、行動制限はありますが、御利益をもらいに出雲大社へ訪れてみてはいかがでしょうか。
茶三代一は毎年、神在月のシーズンに合わせ、縁起物のお茶である「出雲大社献納銘茶」を献納しています。出雲大社献納銘茶は、最高級の茶葉を使っており、味わい深い銘茶です。一般販売もしているので、ぜひ手に取ってみていただけると幸いです。

出雲大社献納銘茶 1本化粧箱入り
出雲大社献納銘茶 2本木箱入り
出雲大社献納銘茶 3本木箱入り

関連商品

PAGE TOP